米国株全体としての割高感は前から囁かれていますが、実際のところどうなんでしょうか?
指数やデータを見ながら見ていきたいと思います。
指標から見てみる
コロナショックで企業の業績が一時的に落ち込んでいるので正確に割高、割安を判断することは難しいと思います。
ここでは単純に指標が表す値を見ていきます。
まずはPERから
一番簡単な指標でかつ最も投資判断に使われているんじゃないかと思われるPERからです。

2020年の年末で約38倍になっています。
以前にPERが高くなった時期としてドットコムバブル(1999年から2000年)とリーマンショック(2008年)があります。
それ以来の歴史的な高い水準となっていることは明らかですね。
ただ、今は新型コロナウイルスの影響でロックダウンを始め、企業が通常通りの利益を出せていないことも影響しています。
利益が前期比で落ち込めば株価に対してPERが跳ね上がってしまうことは当然です。
ワクチンが予想通り効くもので、2021年以降順調に感染が収束していき企業利益が上昇すればPERは元の水準に落ち着いてくる可能性もあります。
また、金融緩和も同様に今までにないペースで行われていることから、PERの適正水準の認識が世間の中で変わってくるかもしれません。
20倍30倍でも株が買われていく年が続いてもおかしくないと思います。
バフェット指数
割高感の判断をするための指標としてバフェット指数というものがあります。
バフェット指数は株の時価総額を国の名目GDPで割り、100を掛けた数字です。100を越えると割高とされます。
これもまた、コロナショックを契機にドットコムバブル以来の数値となっています。
企業の利益が増えていないのにも関わらず、株価が先行して上がっている状態を表しているとも言えます。
バフェット指数からいえば割高度は歴史的な水準と言えます。
ただ、現在は低金利の中で株の相対的な価値は高くなっているはずで、バフェット指数が高いからといって今後のリターンが低くなる保証は無いと思います。
データから見てみる
なぜ割高感を示す指標があるにも関わらず、コロナショック以降株は買われ続けているのでしょうか。
金融緩和
一つには歴史的な金融緩和があると思います。
昨年FRBの量的緩和策により流動性供給は大きく上昇、アメリカのマネーサプライは大幅に伸びています。
世の中に流通しているお金の量が増えたわけですから、お金の余りは株価を上昇させます。
2020年のマネーサプライの上昇率を見れば、株価の動きも当然に見えてきます。
大量に供給されたお金があるから、実体経済よりも先行した株価の値動きになっている面もあるかもしれません。
10年債利回り
続いてアメリカの債券利回りです。
金利と株価は密接な関係で、債券の利回りが上がってしまえばリスクがある株を買う人が少なくなり、株価が下がってしまいます。
こちらはアメリカ国債の10年債利回りです。
2020年は1%を切り低金利な環境を背景に株価が上がっていった側面もあります。
この金利が上がってしまうと要注意ですが、民主党政権に移行しようとしている今、やや上昇傾向も見られます。
債券の利回りが上がってしまえばしまうほど、高PERで買われていた株から売られてしまうかもしれません。
今後も注意深く見ていく必要があります。
まとめ
S&P500指数が今割高なのか、データを見るだけではなかなかわかりません。
割高と言われつつも買う人がいれば上がっていくのが株です。
金融緩和やコロナショックでの一時的な(?)利益の落ち込みなど色々な環境を考慮しなければなりませんし、2021年内にワクチンが効いてコロナウイルスが収束するのか専門家でもわかりません。
結論としてはバブルと言われ割高感を抱えつつも買っていくしか無いのだと思います。
期待リターンは少なかったとしても、アメリカの企業たちは毎年莫大な利益を上げ人々の生活になくてはならない商品、サービスを提供しています。
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